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「あなたには今一度主従関係というものを教えないといけないみたいね」
「ま、待ってください。そう言えば用事思い出しました」
「さっき退屈って言ったわよね。いいわ、私の時間あなたのために割いてあげる。光栄に思いなさい」
ゆらゆらと歩きながら殺意を込めた眼差しで雄仁を睨んだ。
「ほ、本当に待ってください!!」
「ふふふ、ふふふふふふ」
「・・・・・・」
新城様、申し訳ございません。私はそうなったお嬢様を止めることが出来ません。
美夜は心の中謝り、雄仁の死を確信していた。
ガッ━━━
「さぁ、何をしようかしらね?」
雄仁の胸ぐらを掴み凜華は笑った。
「怖い!リン怖いですよ!」
「それはあなたの心のどこかにやましいことがあるからよ。そうねまずはその腐った性根を叩き直してあげなくてはね。ふふふ」
「ぼ、僕はただ!リンと楽しく話が出来れば良いって思っただけなんです!!」
「っっ・・・・・・よくもまぁ、真顔でそんな嘘が言えるわね」
一瞬怯んだがすぐに目の前の雄仁を睨んだ。
「嘘じゃないですよ!それに僕にはリンしか居ないんです!(確実に時間がありそうな人が)」
「私しか・・・居ない?」
ドクン━━━
「はい」
「う、うるさい!!そんな戯言!」
むず痒かった。
必要とされない世界で生きてきた自分にとって必要とされることは。
どうして良いか分からず雄仁を突き飛ばした。
ドサッ━━━━
「り、リン?」
「・・・・・・」
「大丈夫ですか?顔が真っ赤ですよ?」
「っ!?出て行って!!」
「え?」
「早く!!出て行きなさい!!!」
部屋中の響きわたるような声で叫び背を向けた。
「・・・分かりました」
素直に頷いた雄仁は大人しく部屋を出て行った。
「お嬢様?」
「ひとりにして頂戴」
「はい。失礼します」
バタン━━
「・・・・・・」
キィィィ━━━
いつもの椅子に深く腰掛け冷え切った紅茶を一口飲んだ。
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