537人が本棚に入れています
本棚に追加
「私が悪いんです。私がグズでダメだから・・・」
「楼無・・・・こういう時ご主人様が凜華お嬢様だったら「舞!それは言わない約束よ!!」
愛は舞の言葉を消すように強い口調で言い睨みつけた。
「あ、ごめんつい・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
なんとも言えない重い空気が流れる。
「凜華お嬢様が・・・ご主人様」
「愛?」
ポツリと呟いた愛に舞は首を傾げた。
「ねぇ、舞。凜華お嬢様は私達のこと覚えてるかな?」
「そんなの当たり前だよ!」
一切の疑いがない。即答だった。
「少し位のわがままなら聞いて貰えるかな?」
「それは・・・・・・多分!」
「だったらさ・・・・楼無を奏柳家に送っちゃえば良いんじゃない?」
「そ、そんなの!・・・・・・ありだね」
「そうだよね!ありよね!」
「それ!!名案!愛スゴい!」
「ううん。舞の一言で気が付いたからスゴいのは舞だよ!!」
興奮する二人に対して楼無はぽかーんと口を開けてるだけだった。
「喜んで楼無!!私達のご主人様兼女王様の屋敷にあなたを推薦しておくから!」
「凜華お嬢様は私達の唯一無二のお嬢様なの!」
「え?えっと・・・ありがとうございます?」
━━━━
━━
━
「そんな感じで私はここに来ました」
「そぅ」
ここのメイドはみんな少なからず痛みを抱えてるわね。
「あ、それと愛さんと舞さんが言ってました。『私達の仕える相手は変わりましたが私達を使えるのはこの世でただひとり、凜華お嬢様だけです』って」
「貴重な話をありがとう。ここでは失敗したってイジメる人間は愚か、責める人も居ないわ。まぁ、だからって失敗を続けられても困るのだけどね」
「は、はい!気を付けます」
「下がっていいわ」
「失礼しました」
バタン━━━━
部屋を出る頃には楼無に緊張した様子は無く笑顔が見られた。
最初のコメントを投稿しよう!