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あれは2日前のこと。
僕が「幻想世界に遊びに行きたい。確かパラレルワールドに一つあったから今から行ってくる」と告げたら、ニャルラトテップに全力で阻止された。
確か、このままの体で行けば世界に入り切らなくて、世界が弾けるとか何とか。
確かに最近また大きくなったけど、宇宙の二倍ぐらいしかない筈なんだけどなぁ。
でも、ニャルが土下座したから我慢したんだ。僕は優しいからね。
で、あれから2日、ニャルは僕の「器」を作ってくれているんだよね。
早くできないかな。待ち遠しくてたまらないよ。
「アザトース様」
「ん?人間……じゃなくてニャルか」
黒い肌のイケメンが居るから、ビックリしたけど気配がニャルだった。
いやぁ、此処に人間が居たら発狂しちゃうからね。
いつか人間が普通の精神で遊びに来てくれたら嬉しいけど、まだ無理みたいだ。
で、ニャルが来たって事は……?
「人の姿は動きやすいのですよ。そんな私の実体験からアザトース様の器も人型です」
やっぱり器が出来たんだ。
「ふーん。見せて」
「此方になります」
ニャルが恭しく取り出したのは人間の子供。可愛い顔をしてるけど、男か女か判らない感じだ。
「アザトース様に合わせて、気分で性別を選択できます。選択しない場合はどちらでもない物に成ります」
「便利だね、凄いやニャル。他には?」
「自動再生、アザトース様のスペックを反映出来る肉体強度が搭載、さらに、物を食べれば食べた物のスペックが加算されます。因みに、二十歳以上には成長せず、老いることもありません。好きなだけ世界をご覧になっていただけます」
うーん、一気に言われたら分かり難いや。
「ニャル、分かり易くお願い」
「不老不死、能力吸収、性別自由、ハイスペック。といった感じですね」
「良く分かったよ」
良い肉体だ。好きに遊び回れる。最高だね。
「ニャル、ありがとう。ご褒美に、僕が遊びに行ってる間、地球で遊んでて良いよ」
「勿体なきお言葉、ニャルは幸せでございます」
あの星ならタコとかエスパーとか虫型菌類とか馬鹿でかいスライムとかいっぱい居るから楽しいよね。僕は直接関われないけどさ。
「では、アザトース様。この体に入って頂ければ、ヨグ=ソトースが幻想世界まで飛ばしてくれます。どうぞお入り下さい」
「……どうやって?」
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