3人が本棚に入れています
本棚に追加
「武~。1時間目ってなんだっけ?」
先生が去ったのを確認してから、後ろの席の桐谷 修也が声をかけてきた。
「え~と・・・確か数学だ。」
少し考えこんで返した答えに、修也も納得して頷き、数学の支度をしだした。
俺も支度を始める。
キーンコーンカーンコーン!!
キーンコーンカーンコーン!!
支度を終えると、タイミングよく1時間目開始のチャイムが教室中に鳴り響いた。
ーー今日も一日勉強かぁ~。つまんねぇなぁ~。なんかおもしろいこと起きねぇかなぁ~。
机に用意した数学の教科書をジッと見ながら俺は心中で呟いた。
その瞬間、俺の頭の中で数多くの空想世界が展開された。
一つは他国の軍勢が突然日本に侵略してくる世界。
一つは学校内で殺人事件が起きる世界。
一つはこの世界が突然崩壊してしまう世界。
その他にも俺の頭には”なにかが起きる”という世界が数多く、空想として頭に広がった。
きっと・・・俺に未来を予想できる力があったなら、こんな考えを持つこともなかっただろうに・・・
最初のコメントを投稿しよう!