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ーー2012年 9月9日(日)午前10時00分
「さぁさぁ、らっしゃいらっしゃい。文化祭定番の焼きそばはいらんかねぇ~。塩味とソース味があるよ~。」
どこにでもいる八百屋のおっさんのような言い方をしても、誰も客は寄り付かない。
ーーはぁ・・・なんで俺がこんなおっさんみたいな宣伝しねぇといけねぇんだよ・・・。
そう思い俺・・・高校二年生の高木武は宣伝のために頭上に高々と掲げていた宣伝板を下ろした。
「おいおい、何サボってんだよ~。
今日は文化祭最終日なんだから盛り上がっていきましょう。」
テンションガタ落ちの俺の背後で、俺とは対照的なテンションアゲアゲの声がした。
俺はキッと睨みをきかし、声がした方に振り向いた。
「ほらほら武くん。そんな顔をしちゃダ~メダ~メ。」
俺の睨みを無視し、そいつは人差し指を立てて”チッチッチ”という指の動きをさせる。
「うっせー!誰のせいで俺が宣伝係になったと思ってんだ!」
俺はその男を見ながら周りに迷惑にならない程度に怒鳴った。
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