最後の平和

3/6
前へ
/24ページ
次へ
「まぁまぁ落ち着けよ。この片山竜治(かたやまりゅうじ)様がお前を宣伝係に推してやったんだ。感謝くらいほしいナリ~。」 その男・・・竜治は調子に乗った口調で怒った俺の顔を見つめてきた。 俺はそんな竜治を見て、なんだか無邪気な男の子を見ているみたいで笑ってしまった。 「なんで笑ってんだよ~。武く~ん。真剣な話中だろ~?」 そんな俺を見て竜治はふてくされた顔で少し睨んだ後、俺の手から宣伝板を無理矢理取った。 「ちょッッ!おい!!」 「いいから貸せって!! らっしゃいらっしゃい!!文化祭定番の焼きそばはいらんかねぇ~。」 そして俺が忌み嫌った宣伝を始めだした。 こいつは俺の持ってない物を持っている・・・。 多分俺とは正反対のタイプの人間だ。 俺はそんなこいつを”親友”だと思ってる。 まぁ、こいつが俺のことをどう思ってるのか知らないんだけど・・・。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加