2221人が本棚に入れています
本棚に追加
/165ページ
「ここだね」
「ここって、岩山の中ですか?」
アーサーの疑問に、私は無言でしばらく考え、地図に岩山の拡大と内部構造解析を命じた。
岩山が大きく映し出され、表面が透過されて内部構造が見えるようになった。
「これは……!」
「多分、古い坑道を利用した隠れ家だろうね。崩落の危険があるし、何より辺鄙な場所だ。もってこいの立地だね」
赤い点を追っていくと、地下にまである階層で移動を停止していた。
いや、反応が今消えた。
「気付かれたかな?それとも……」
私は敢えて言葉を濁した。しかし、答えは十中八九後者だろう……
「行こう」
端的に言うレイに全員が頷いた。
「と、その前に、ほいっと」
私が指揮者の真似をするように指を振ると、全員の服が浴衣から昼の服に変わる。
「準備はいいね?」
全員が頷いたのを確認して、私は敵の隠れ家に向けて転移をかけた。と言っても、指定したのは近くの物影だけどね。
「突入!」
鉄製の扉をグレネードランチャーで吹き飛ばし、私は隠れ家に踏み込んだ。
さぁ、海賊の時間だ!
って、違う!
最初のコメントを投稿しよう!