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岩肌の色が見て取れる通路を私達は駆け抜けて行く。
電灯のような照明がある事から、敵の技術力は飛び抜けて優秀らしい。もしかしたら、対人感知センサーなんかも開発しているかもしれない。罠には気をつけて行かなければいけないな。
「レイ、気づいてる?」
「うん、敵が……居ない」
そう、私が扉を吹き飛ばしたので、既に敵は私達が侵入している事は分かっている筈だ。なのに、迎撃部隊どころか人影すら見えない。
「誘い込むつもりか、はたまた逃げたか……」
しかし、逃がした黒タイツが帰還してまだそんなに時間は経っていない。恐らく前者だろう。
「リョウ、通路の終わりだ!」
レイの言葉に我に返ると、突き当たりの両開きの大扉が開け放たれていた。
「行くよ!」
私達は一気に扉を駆け抜けた。
「これは……」
出た先には、ドーム型の広い空間になっていた。天井は高く、私達が出てきた扉以外にもたくさんの扉が並んでいた。
「やっぱり罠か」
私が呟いた瞬間、私達が出てきた扉が締まり、他の扉が全て開いた。当然、中からは敵が出てくる。
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