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「……!皆、跳んで!」
私の指示に、先陣を切っていた私とレイは右に、他の皆は左に回避する。
直後、さっきまでいた場所を何本もの光線が蜂の巣にする。一瞬遅れていたら、と思うと寒気がする光景だ。
「はっ、しまった!」
私達と皆の間には、致命的な程に距離が空いていた。
これでは、各個撃破されるだけではないか!
私の考えを読んだかのように、次の瞬間地面から石壁がせり上がり、あっという間にドームを分断してしまった。
「やられた……!」
「そんな!」
歯噛みする私に、叫ぶレイ。罠だと分かっていたのに、まんまと敵の術中に嵌まったという訳だ。
「駄目だ。念話も通じない!」
あの壁には、念話遮断機能があるらしい。多分、魔力を打ち消す働きもしているだろう。
「レイ、別の道を探すしかないみたいだ!」
「でも、どうすれば……」
「とにかく、あれを突破するしかないね」
壁に背を向けると、ロボットに包囲されていた。その数、ざっと500はいそうだ。
「レイ、武器は?」
「えっ、その……フィーネなんだ」
生きる武器……フィーネが……でも、今は考えるのは後だ。
「そう、なら召喚して。契約してるなら、パスは繋がっているはず。背中は任せて」
「でも……」
「そうそう、足止めはいいけど、レイ。別に、倒してしまってもいいのだろう?」
某赤い弓兵のセリフを拝借し、私はレイに微笑みかけ、黒夜を構えて敵のただ中に飛び込んだ。
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