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「精々手を抜け。その間に、100は貰っていく!」
先頭の人型を縦に切り裂き、私はにやりと不敵な笑みを浮かべる。
とは言っても、密室というこの状況では、イグナイトハーツは使えない。一酸化炭素中毒であの世逝きだからね。
よし、ならばあれを使ってみよう。
私は黒夜を持った腕をダラーンと垂らして脱力する。
隙だらけの私に、狼型のロボットが金属の牙を剥き出しにして飛び掛かってきた。
しかし、私に到達する寸前で、狼の首がゴトリと落ちた。
私の周りには、目に見えない円盤が回っていた。
空気を超圧縮した不可視のブロックを配置するマテリアル・ハイという元気な少年の使う能力だ。
更に、私はライズを全開にして高く飛ぶと、手を下にして大型ブロックを制作する。
「固定解除(フォールダウン)!」
そのまま鉄球のように叩き付け、ロボット達を圧壊させる。
「今のでざっと四分の一か……」
どうしたものかと考えていると、周りの景色が一瞬にして雪原に変化する。
「これは……」
「お待たせ、リョウ」
振り返ると、大鎌を携えたレイが立っていた。
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