2222人が本棚に入れています
本棚に追加
/165ページ
次の敵に向かいながら、チラリとレイの方を見る。
フィーネが変化した鎌を振るうレイは、まるで踊るように円を描きながら周りの敵を切り裂いていく。
遠くから飛び道具で狙っている敵には水の濁流や氷の矢を。近い敵は体術や鎌で応戦していた。
これなら私が手助けする必要はないかな。
そう思っていると、私は壁際に追い込まれていた。
やれやれだね。ま、そろそろ槍にも飽きてきたし、潮時かな。
私は槍を頭上に放り投げ、パンッと合掌する。
「レイ、三つ数えて上に跳んで!!」
レイが頷いたのを確認して、私は心の中で数える。
(アインス、ツヴァイ、ドライ……!)
何故ドイツ語かは聞かないで。ノリだから。
カウントが0になると同時に手を肩と平行に突き出す。そして、ちょうどそこに重なるように落ちてきた槍。瞬く青い閃光。
「爆・散!」
オレンジくんの異名を持つ改造人間のセリフを拝借。
言葉通り、槍は無数の礫に分解、再構築されて散弾みたいに飛び散り、ロボット達を巻き込んでいく。
横に拡散するように飛ばしたから、レイには当たらないはずだ。
最初のコメントを投稿しよう!