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「お疲れ」
「お疲れっス」
割り当てられた控え室から棒読み名女優椎菜(シイナ)さんがでていくと同時に男達の時間が始まる。
「ついにヤりやしたぜ、部長!」
「ついにヤったのか、エイ!」
「よくやったぜエイ!」、と周りの部員からの拍手喝采が飛ぶ。
「もうネットじゃ手に入らないと決断し、地域のローカル本屋を上から下まで巡ること三ヶ月……見つけたときの感動は、なんもいえなかったス…」
そんな暇あるなら勉強しろよ。
と言ってやりたくなるけど、あのやりきった顔をみると、なんもいえない。
「あのかんみとうが最初に手がけたと言われる伝説の同人誌!!
絶倫ヒーローシリーズ!」
『ヒーロー』という単語に反応した体、刹那、みな気づいたときには既に終わっている。
「……中々良い結末でした…」
「…………なんだと…?」
一瞬でエイから絶倫ヒーローを取り、薄い小冊子なためすぐさま目を通しエイに返す。
全てにかかった時間、実に1秒。
「…やるな、流石我が園児を愛でる会のホープ……上本 託夢(カミモト タクム)よ!!」
なりゆきで席を置くことになったサークル。
断じて部長がいうようなサークルではないけど、
"ヒーロー"になれるから、僕はここにいる。
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