プロローグ

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「ねぇ、どうしてお兄ちゃんはうちに構うの?」 ねぇ、なんで? ねぇ、どうして? ナンデ、ロクデモナイイモウトニカマウノ? 完璧なお兄ちゃんたちはうちと違って凄い。 例えば頭もいいし、運動もできる。 おじいちゃん、おばあちゃん、叔父さん、叔母さん以外の親戚はみんな、口を揃えて言うんだ。 「どうして、あの子は碌でなしの子なの?」 「なんで、あんな子が長谷家の1人なの?」 「ナツキくんやマサヤくん。ユウヤくん、ユウタくんと比べても何も出来ない子なのに、よく平然と笑っていられるわね。」 『生まれて来なければ良かったのに』 ねぇ、聞こえてるよ? ねぇ、うちは必要のない子だったの? ねぇ、どうしたら認めてくれるの? ねぇ、どうしてお兄ちゃんたちと比べるの? うちはうちだよ? あー、期待するのは止めよう。 期待するだけ無駄なんだ。 だって、うちは『生まれてきちゃいけない子』だったんだから。
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