1243人が本棚に入れています
本棚に追加
「そんなことないよ。それで、どうしたの?」
「いや、凄いさ……。麗奈、怒らないで聞いてくれるか?」
叔父さんは、気を使って今日直接話しに来たことを1から丁寧に説明してくれた。
「実はあの人達が一華の入学を断ったんだ、昨日。理由は、俺が経営する高校に入学して、そこの生徒達をなんとか"常識範囲内"までにさせろ、それが彼らの要求で昨日、俺の所にいきなり来て一華を断ったと伝えに来たんだ」
叔父さんが話してくれたことが、あまりにも突然であまりにも勝手で、だけど、あたしは逆らうことが出来ない。あの人には。
「分かった。叔父さんの学校って何科だっけ?」
確か叔父さんが経営する学校の偏差値は40くらいだったはず。
全国平均くらいの偏差値の学校だ。
「普通と商業だよ」
「じゃ、商業科でもいい?」
「そういうと思って、先に商業科で手続きしておいたよ」
なんとも言えない笑で叔父さんは言った。
その表情から思わず思ってしまった。
「まさか、あの人がじゃないよね?」
「違うよ。そこは頼んだんだ。せめて、アイツの希望科にしてあげてくれって」
その言葉に、感謝しきれない思いでいっぱいになった。
最初のコメントを投稿しよう!