始まり後事件

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「本の定期チェックあるじゃん? あん時、アイツ横に付きっきりで監視しやがんのよ。 サボってないかってね」 クソ、私はただ手を休めてただけだっつーの。 そうぼやき、チッと舌打ちで締めくくる。 「なるほど? そりゃ八方塞がりだ」 嘆息と共に僕は言う。 「しかも普通に無くなるならまだしも、変な殴り書きのメモまで置いてあるし……」 「ちょっと待て」 手の平を彼女に見せ、制止させる。 なに? と、怪訝な表情。 「何故そんな大事そうなことを今更になって言う?」 「何が?」 「何が?って……絶対に関係あるじゃないか、そのメモ」 「世の中に絶対なんて無いわ」 「お前がバカだというのは絶対だ。 それより、そのメモはどこにあった?」 「無くなった本の置き場所にひっそりと。 あと、そこから動かないでね」 脛をまるでサッカーボールを蹴るように蹴りあげられる。
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