1人が本棚に入れています
本棚に追加
「本の定期チェックあるじゃん? あん時、アイツ横に付きっきりで監視しやがんのよ。 サボってないかってね」
クソ、私はただ手を休めてただけだっつーの。
そうぼやき、チッと舌打ちで締めくくる。
「なるほど? そりゃ八方塞がりだ」
嘆息と共に僕は言う。
「しかも普通に無くなるならまだしも、変な殴り書きのメモまで置いてあるし……」
「ちょっと待て」
手の平を彼女に見せ、制止させる。
なに? と、怪訝な表情。
「何故そんな大事そうなことを今更になって言う?」
「何が?」
「何が?って……絶対に関係あるじゃないか、そのメモ」
「世の中に絶対なんて無いわ」
「お前がバカだというのは絶対だ。 それより、そのメモはどこにあった?」
「無くなった本の置き場所にひっそりと。 あと、そこから動かないでね」
脛をまるでサッカーボールを蹴るように蹴りあげられる。
最初のコメントを投稿しよう!