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冷や汗が吹き出てきて、顔を伝う。
脛を蹴られたのも原因だけど、コイツの思考回路が原因の大部分を占めている。
何故そんな怪しげなメモを無視出来るのか、何故それを重要では無いと判断したのか。
推理小説に例えるなら、そこに死体があるのに誰も気にしない、そんなシュールな状況。
──やっぱりスゲェ。
「なに言ってんの?」
思った事が声に出ていたらしく、返答された。
僕の口にはチャックが付いていないからしょうがない。 嘘である。
「いやいや、北原はいつ見ても綺麗だなーと思っただけ」
咄嗟に出た誤魔化しは自分の首を締めるだけだった。
「ハァ? バカじゃないの? この女たらしが」
蔑むような目線と、嫌悪感が盛り沢山な顔の表情をいただきました。
それよりも、僕は垂れ流せる程女子と交流はない。
童貞の模範生として生きている自信はある。
「つまり、僕の青春は灰色どころか黒色ってことだね」
「否定はしないわ。 それより、話しがだんだんズレてるんだけど」
さもどうでもいいかのように話しの修正を求めてくる。
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