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あたしは瀬戸くんが取ってくれたふかふかのアザラシのぬいぐるみを袋に入れてもらい持って歩く。
「あ、佑希~!」
女の先パイから声をかけられる。
「お~麻衣子やん」
「な、な、うちの占い寄ってってや~」
「占い?」
「うん今すいてるねん。タダやし寄ってってや
ゆうちゃんも」
あたしは自分の名前が出たことに驚いた。
「ゆうちゃんよね?幼なじみの。」
麻衣子と呼ばれた先パイはあたしの顔を覗き込む。
「はぃ…」
どっかであったっけなぁ…?
思い出されへんっ
「麻衣子は俺の同級生やねん。」
「よろしくなぁ」
あ、初対面やった…
「よろしくお願いしますっ」
あたしはホッとしてぺこっと頭を下げた。
「瀬戸のそのホクロは水難のホクロや!!」
「はぁ?!」
「水難や水難!」
「なんやねんその占い」
男の先パイが本を片手に瀬戸くんを指差して言う。
「水難って(笑)」
あたしも笑う。
「ゆうちゃん笑ってるけどな、ゆうちゃんのホクロ火難やで!」
「火難ん?!」
ほんまなんやこの占い!
「嫌やったらそのホクロ取りいや」
先パイは笑いながら別のホクロを探してる。
「探さんといてっ」
「もっとええホクロないん?」
瀬戸くんは置いてある本を開く。
「あ、あるやんお金が貯まるホクロ」
瀬戸くんは手の平を指差す。
「シミやん!」
「あかんのん?」
わやわや言いながら占いコーナーを後にした。
「あ~俺そろそろ戻らなな~」
「せやな~…あ、うちのわたあめ買ってってや」
あたしはふと思い出したように言う。
「あれ、拓也行かんかった?」
「来たけど…あ、2つ買うてったんや!」
たっくんがイチゴとマンゴー買ったわ
「…。」
「…チョコちょうだいや」
「え?」
「チョコ味。」
「…ありがとう」
あたしは瀬戸くんと一緒にうちのクラスに戻った。
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