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「セーフっ!」
あたしは教室に駆け込んだ。
「アウトやアウト」
隣の席の男子、りっちゃんこと李人が言う。
この子は小学校からの同級生。
「1時間目には間に合ったもん
セーフやセーフ☆」
この分やとたっくんも瀬戸くんもアウトやな
「ゆう宿題見してや」
「宿題なんかあったっけ?」
「…やっぱ聞く相手間違えたわ(笑)」
りっちゃんは苦笑いを浮かべる。
「~やからXが1になって…」
りっちゃん寝てるし
ヒマやなぁ~
あたしはケータイをつつきながら外を見る。
男子がサッカーをやってる。
今日もいい天気やなぁ…
…あ、メールや
たっくんから
『ひまやねぇ(´ω`)』
おいおい受験生ちゃうんかぃ(笑)
『今数学やねん
あたしもヒマやわぁ~たっくんとこ何の授業なん?』
たっくんに返信する。
すると1分も経たないうちにメールが返ってくる。
『こっちも数学~!』
『たっくんはちゃんと受けなあかんやろ(笑)』
『大丈夫!授業聞いててもわからへんし!!』
『あたしもさっぱりわからへん☆笑』
たっくんと何通かメールしてると
「じゃあ次の問題解いてみろ。佐藤!」
うっわ当たった…
「はぃ…」
「清水起こしたってくれ」
「え?」
先生は隣のりっちゃんを見てる。
「りっちゃん、りっちゃん当たってるで」
「…無理。ゆうやっといて」
りっちゃんは眠そうにそっぽを向く
「じゃあ佐藤。」
「え~!ちょっとりっちゃん、あたしわかれへんねんけど!!」
「いけるいける」
そう言ってまた机に突っ伏した。
「…」
『りっちゃんの代わりに当てられた…』
あたしはたっくんにメールを送って
先生と一緒に数学に奮闘した。
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