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あたしはクラスに戻ってわたあめを手伝った。
「ハイチョコひとつ~」
りっちゃんはもう屋台のおっちゃんみたいに慣れた手つきでわたあめを渡してる。
「ありがと~りっちゃんカワイイっ」
見た目がカワイイりっちゃんは女子にわいわい言われてる。
「カワイイゆーな!」
もうマスコットキャラになってもええと思う(笑)
「ゆう、ザラメ
イチゴとチョコ」
「はいよ~」
「あ、一緒に入れて」
「一緒?!」
「山名が食べるんやって」
「まじかい(笑)」
わたあめ混ぜるっておいしいんかなぁ?
んでもイチゴとチョコやったらありかもしれへんなぁ
「ゆう、瀬戸ちゃん」
りっちゃんがあたしに言う。
「え?」
見ると瀬戸くんが手招きしてる。
「行ってき」
りっちゃんはくるくる回してピンクと茶色が混ざったわたあめを作り上げた。
「はいいっちょあがり~☆」
「ごめん、抜けるな」
「うん」
あたしは瀬戸くんの所に駆け寄った。
「どしたん?」
「店番ないからゆうとまわろうと思って」
とっさに花穂が浮かぶ。
「ちょい待って」
「うん?」
「花穂連れてくる」
「なんで?」
「それは…」
花穂が瀬戸くんのこと好きとは言われへんしな~…
絶対花穂が悲しむ
どうしよう…
「俺ゆうとまわりたいねんけど」
瀬戸くんはあたしの腕を引いた。
「一緒にお祭りまわるのんとか小学生ぶりやん」
そう言って瀬戸くんは楽しそうに笑った。
「そうよな~ふれあいカーニバル以来やなぁ!」
…考えすぎたかな、あたし
花穂には何も言われてへんし、幼なじみやからふつーに仲良くしててもええやんな?
ちょっと複雑な気持ちになりながらも瀬戸くんと校内を見てまわった。
「輪投げやってって~」
「ベビーカステラうまいで!」
「いっぱいあるな~」
あたしはキョロキョロ見る。
「何しよか…あ、射的あるで」
「あ、やりたい!」
木造の銃を持って2人で景品をねらう。
どれがええかなぁ…
あ!でっかいアザラシのぬいぐるみがある!
さすがにそれ自体は的になってへんかって
変わりにダンボールで的が作られてて
「アザラシ」と書かれていた
難しい位置にあるなぁ~…
前の的ジャマやし
あたしは1発打ってみるけど玉は棚に当たって跳ね返る。
「あ~やっぱジャマやあの前のやつっ」
「前の先狙い」
瀬戸くんに言われてあたしは前のやつを狙う。
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