―春― 全ての始まり

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「はぁぁぁ~、終わったぁ」 やっとのことで反省文を書き終わり、琢磨は教室の時計を見る。 「えっと、4時45分か…」 ちなみに波岡学園の最終下校時刻は5時である。 「うっわ…ギリギリセーフ。とりあえず早く生徒会室、行ってこないと」 そう言いつつ琢磨は鞄を持ち、教室を出ていった。 *** コンコン… 「失礼します…」 ノックをした後、ゆっくりと生徒会室に入っていった。 「あれ…。誰もいないや。もしかしてもう帰っちゃったとかかな…」 薄暗い生徒会室の中へゆっくりと進んでいくと、突如背後から 「お嬢さん、こんな時間にこんな所で何をしていらっしゃるんですか?」 妙に優しい声音で男が琢磨に話しかけたが、琢磨は話しかけられた瞬間盛大に肩をびくつかせ、その場にへたりこんでいた。 「あっ、あの…きっ今日中に反省文を生徒会室にっ…。っていうか俺…おっ男なんですけど…」 琢磨なりに精一杯男を睨みながら言っているつもりなのだが、声は震え顔は真っ青である。
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