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「えっ…じゃあこれ、誰が着るんですか?…。えっともしかして…」
琢磨はそこまで言うと恐る恐る大河内の方を見た。
「そうっ。浅倉君が着るやつだよ」
大河内はほわほわとした笑みで答えた。
「いやっ、俺男ですよ!?確かに女っぽいとは言われるけど!」
「そうだね~。でももう来週の校内ファッションショーの参加者欄に女装枠で浅倉君の名前、書いちゃったし」
大河内がさらっと言った言葉に琢磨は驚きを隠せない。
「はっ!?どういう事ですか?ってか、女装枠って…」
「あぁ、それね。今まではほら、今雑誌とかに載ってる"Kana"っているでしょ?あの子に出てもらってたんだけど、今年は仕事で来れないっていうから生徒会に女装出来そうな子を探すように頼んどいたんだぁ」
「で、俺に白羽の矢が刺さったって訳ですか…」
琢磨は色々と諦めた様子でため息をついた。
「で、俺に拒否権は…?」
「もちろんないよっ。あきらめて」
大河内のほわほわしたなかにも有無を言わさない口調で言われ、琢磨はとうとう諦めた。
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