16人が本棚に入れています
本棚に追加
ピピピピ…
「んぅ…、もう朝か…」
日に日に暖かくなっているとはいえ朝はいまだに少し冷えるそんな春の日の朝
「今、何時だ…」
少年は目覚まし時計に目をやり、
「はぁ!? 9時かよっ!完全に遅刻じゃねーか!」
あわてて少年こと、浅倉琢磨は支度を始めた。
ドタドタと階段を降り、テーブルに置いてある朝ごはんをスルーしようとすると、
「あら~、おはようたっくん。朝ごはん、食べないの?」
キッチンの方からのほほんとした声が聞こえた。
「あぁ、おはよう母さん。っじゃなくて、なんで起こしてくんなかったの!?」
キッチンからした声の主は琢磨の母、美里だった。
「なんでって、1回ね7時くらいに起こしに行ったのよ。でも、あんまりにもたっくんが可愛い寝顔で寝てるから起こすの、可哀想かな~って」
「かな~って…。はぁ、とりあえずもう遅刻決定だからいいや。ご飯、食べてく。」
「あら、そう。それじゃ食べていきなさい」
そうして琢磨は華麗に遅刻をしたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!