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「浅倉、お前遅刻10回目かぁ」
澤田はニヤニヤしながら、話を続ける。
「見事遅刻10回目を達成した生徒にはどういう賞品が待っているか言ってみろ」
「あぁ…急にお腹がっ…先生、保健室にいってもいいですk」
「「ダメだ(だよ)」」
2人に笑顔で凄まれて琢磨はジリジリと後退りをした。
「はぁ…見事遅刻10回目を達成した生徒には原稿用紙5枚分の反省文…ですよね?」
琢磨の通っている高校には遅刻の回数によってそれぞれ罰則が異なり、5回なら1日用務員体験、10回なら反省文5枚分だったりする。
「そうだ。と、いう訳で大河内」
「は~い。それじゃ下書き分もいれて10枚渡しておくね。提出は今日中に生徒会室まで、頑張ってね」
「えっ、生徒会室なんですか?先生のところじゃなくて」
琢磨はきょとんとした顔つきで澤田達に尋ねた。
「そうだ。うちは自由がモットーの学校だからな」
「だから、生徒の処罰とかも全部生徒会まかせなんだぁ~」
「そうだったんだ…」
「そろそろ時間か。んじゃ、俺達は次の授業があるから行くな。行こう、大河内」
「はぁ~い。それじゃあ頑張ってね」
大河内が話し終わったとたん三時間目の予鈴が鳴り、2人は慌ただしく教室を出ていった。
「はぁ…やるしかないよな。サボったら課題増えそうだし」
そうして琢磨は三時間目開始のチャイムと共に反省文を書き始めたのだった。
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