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「…っぷ」
男は小さく吹き出した後、盛大に笑いだした。
「くっ、あっははは。おーい涼、もう電気つけていーぞー」
男のさらに後ろ、生徒会室の入り口近くに涼と呼ばれた男が立っていた。
「うっさい、圭。そんな大声で言わなくても聞こえてるから」
涼はそう言い、生徒会室の電気をつけた。
男もとい、圭はいまだに笑いが治まらずに腹をかかえうずくまっている。
「ちょっと、圭いつまで笑ってんの?この子、可哀想じゃん」
涼も圭を注意するが、その肩はぷるぷると震えている。
「すまんすまん。つい、反応が面白くってな。そこの一年生、悪かったな。えっと…名前は…」
「浅倉琢磨でしょ?」
いままで何が起きたのかいまいち分からずに呆けていた琢磨だったが、自分の名前をいきなり言わればっと涼の方を見た。
「なんで…俺の名前を知ってるんですか?」
「なんでって、昼休みに澤田先生と大河内先生に言われたから。だからわざわざ下校時間ギリギリまで残ってたの。」
さらっと嫌味も混ぜつつ圭は"生徒会長"という腕章を着け席に座った。
「はぁ…んじゃ、改めまして。生徒会長、百瀬涼です。あっちでヘラヘラしてるのが、副会長の鬼塚圭ね。」
「よろしくな~」
圭はヘラヘラしながら琢磨に手を振っていた。
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