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「ただいま………」 部屋のドアを開ければ、窓際で椅子に座り寝ている音也が出迎える。 そうだ。 去年と全く変わらなかった。 「すいません、音也……」 音也は、自分が芸能人だと知らない。 そう。何処で何をしているか分からない奴をただ待ち続けていた。 仕事を終えて帰ってくる自分よりも、 その仕事をしている最中も、ずっと待ち続けていた音也に申し訳なさと悔しさが込み上げてくる。 「トキヤ………、」 思考を遮る音也の声がした。 「おかえり……トキヤ」 …………起きてる? その真偽を確かめるべく、トキヤは音也の顔を覗き込む。 音也は規則正しい寝息をたてて寝ていた。 「寝言…………ただいま、音也」 可愛らしい笑みを浮かべながら寝ている音也に、トキヤは上着を羽織らせ頭をそっと撫でる。 それから、赤い包装紙で包まれた小さな箱を音也の目の前に差し出す。 「メリークリスマス、音也」 トキヤはそう呟いて、部屋を後にした。 音也は恥ずかしさのあまり顔をより深く、埋めた。 音也の思いと、自分の願いは繋がっている。 だからこそ、 いつか 一緒にいれる日がくると信じてる。
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