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窓を開けると「すぅ」と冷たい空気が頬をかする。 早く帰ってこないかなぁ…… その願いは、まるで父の帰りを待ちくたびれた子供のよう。 窓越しに頬杖を付きながら一つため息をついた。 「来年は一緒に過ごしましょう」 君が、そういった その言葉を俺は今でも覚えてる。 でも、君は? 今年も去年と一緒のこと言われるんだろうなぁ…… そんな思いを抱きながらやり場の無い、 どう表せば人に伝わるかイマイチよく分からない感情をため息と一緒に吐き出した。 イラついている合間に、空から白く、小さな結晶達が降り積もっていく。 そう。去年もこんなんだった。 この雪の下で君の帰りを待っていた。 何処に行ったかも分からない君をずっと。 「………………バカ。」 俺の前からすぐいなくなる。 いて欲しいのに、叶わない夢。 「………一緒にご飯食べるって言ったじゃん」 窓の枠に両腕を組みその中に顔を埋める。 「…………っ寒…、」 窓を開けっ放しで身体が冷えた。 何もかもが、変わらない。 今日もまた、 いや、ずっと君を待ち続けるしかない。 それでも 待ち続ける。 君が 好きだから。
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