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クラス発表が終わって新しい教室に新入生が入っていく。
指定された席に荷物を置いた3人は教室の隅っこで話しをしていた。
「あ~あ…。」
那子は大きいため息をひとつ。
「どうした?」
それを聞いた祐李は苦笑しながら尋ねた。
「んー?だって、席離れちゃったじゃん…。」
「やだ。それだけで落ち込んでたの??」
馬鹿にしたように私は言った。
「当たり前でしょーっ!だって周りが知らない人ばっかりだもん。」
「そうだよねー。(←棒読み)」
「わ。わ。ひどいよっ!また藍が棒読みしたぁっ!!」
那子はなみだ目になりながら祐李に訴える。
「んー?別にいつもでしょ??」
「祐李まで…ひどいよぉ…」
今にも泣き出しそうな那子の表情を見て藍と祐李は同時に笑い出した。
「「プッ…あははっ!!」」
そのあと仲良く話していると突然大きな音が響いた。
クラス内にいる全員の生徒が音源を辿る。
大きな音の正体は前方のドアだった。
「あれ?誰かきたよ??」
いきなり入ってきた人物にクラス中がざわつき始めた。
『うわ。すごい金髪…』
『あれ、担任??』
そんな騒がしい空気の中、大きい声でこう言った。
『はーい。席についてー。』
先生らしい一言に素早く全員が席に着いた。
なんという早業・・・
その先生は生徒の顔をひとりひとり見てあいさつをした。
『みなさん、おはようございます!』
「「おはようございまーす」」
『出欠を取ります!赤坂さん、今井さん……。はーい。全員いますね。では、改めまして、入学おめでとうございます!』
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