てふてふ

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窓から見えた部屋には眠っている神楽だけで、他は見当たらない。音も無く窓を開け、高杉は流れるように部屋へ忍び込んだ。依然、神楽は眠ったまま。 (へぇ…いい具合に育っているじゃねえか。) 桃色の髪、きめ細かい素肌、柔らかそうな唇。すっかりいい女に成長した神楽に、高杉は興味津々のようだ。思わず手が伸びかけて、それを引き戻す。別に神楽の身体を求めてここまで来たのではない。高杉が興味を持ったのは、春雨第七師団長―――神威と彼女の因縁だ。掴み所の無い笑顔を思い出し、神楽の顔と比べてみる。 (随分似てるじゃねえか…血縁者か?) 神威の瞳は青だったが、確か神楽の瞳も青だったはず。そんな事を思いながら彼女の寝顔を眺めていた、刹那。 ダァンッ 高杉の世界が反転した。
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