てふてふ

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果物ナイフを突き付けている右手を叩き、ナイフを弾き飛ばす。神楽の目がナイフにいった瞬間、高杉の手が神楽の細い首を掴み、逆に組敷いた。しかし神楽が高杉の腕を掴み、捻り上げようとする。骨を折られる事を恐れ、高杉は神楽から飛びのいた。そんな高杉に神楽の蹴り上げた椅子が飛んでくる。それを刀で一刀両断した高杉の間合いに神楽は飛び込み、刀を蹴り飛ばそうとする。高杉は体を捻ってそれを避け、続けて回し蹴りしてきた左足を掴んだ。 「俺はお前と戦いに来たんじゃないんだが。」 「分かってるヨ。でも高杉は神威の事、何か知ってるんだロ?」 だから教えろヨ。そういう神楽に高杉は溜め息をつく。 「やっぱりお前はじゃじゃ馬姫のままだな。」 でも、その獣みたいな目は好きだぜ。 そう言い、高杉は神楽の左足を離すと窓から一気に飛び降りた。神楽がそれを追って窓から外を見るが、彼の姿はない。 「一体何だったアルか。」 去っていった高杉に、神楽は不機嫌そうに言う。床を見ると、高杉のキセルが残されていた。
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