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「そーご…。」
ふわりと微笑む神楽に、総悟は口づける。白い神楽の手が総悟の隊服を握った。長い長いそれを終え、唇を離せば、互いの熱い吐息がかかる。
「総悟が助けてくれたんだネ、前と立場逆転アルな。」
「俺はたいしたことないでさァ。元に、新八君がいなかったら、まだ神楽を見つけられてなかった…。」
悔しそうな顔の総悟に神楽は首を振った。固く握られた総悟の手を自分の手で包み、言う。
「そんな顔しないでヨ…。また総悟に会えて、よかった。」
「でも俺は、また神楽を奪われかけた…。」
神楽の手を離し、総悟は神楽を抱きしめた。
「銀ちゃんは?」
神楽の口から出た単語に、総悟は眉を寄せる。そして低い声で言った。
「まだ逃亡中でィ。でもあれはもう、俺や神楽の知ってる旦那じゃないんでさァ。」
総悟の言葉に神楽は俯く。彼女の脳裏に、狂ったように笑う銀時が映った。
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