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「理世、大丈夫?」
不安そうな顔をしてアキが声をかけてくる。
私は、ひじをついて寝転がっているアキに、そっと寄り添う。
「久しぶりに夢見た。すっごい、怖いやつ」
「え、どんなの?」
「嫌だよ。話したら、現実になりそうだし」
「それは、あるかも。でも、俺がいるから、もう怖くないよ」
アキが優しい笑みを見せて、ぎゅうっと私を抱きしめてくれた。
アキ―藤吉陽(ふじよし あきら)は、付き合ってから、ううん、出会った頃からずっと、私の心のオアシス。
私の乾いた心に、溢れんばかりの愛情と、水をくれるのだ。
そのおかげで、私の心は潤い、自分らしくいられるのだ。
特に私が前付き合っていた人と別れたときは、ずっとそばにいて支えてくれていた。
いっこ年下なのに、私より大人で、しっかりもので。
好きって気持ちを、惜しみなく私に注いでくれていた。
ちょっと優柔不断なところはあるけど、この人なら、大丈夫だって…そう思えた。
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