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「理世、まだ寝てる?」
優しく頭を撫でてくれながら、アキが聞いてきた。
アキの胸に埋めていた顔を上げて、首をかしげる。
今日、なんかあったっけ。
「内定もらった会社で、どーのこーのとか、言ってなかった?」
「…あー!」
「ま、でも午後からだよね?それまでは一緒にいれる?」
今日の午後から、ようやく内定をもらった会社で、内定者―つまり同期になるはずの人たち―の集まりがある。
私が就職することになった会社は、食品メーカー。
私は、事務として採用された。
人事の方によると、あんまり大きくない会社だから、同期は私含めて4人だという。
アキは私より一つ年下の大学3年。
私の所属する学部とは違うキャンパスの、工学部にいる。
もうそろそろ、アキの代が就職活動を始める時期になる。
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