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―アキは、研究職を目指して、院に進学する予定だ。
来月にある院試験に向けて、勉強をしているらしい。
私は就活が終わり卒論を進めていて、たまにバイトをするくらいで、比較的余裕がある。
アキは勉強とバイトを両立させつつ、私が就職したら会える時間が減るからと、今は私との時間を優先してくれていた。
「うん、大丈夫だよ」
「へへ、やったね」
すごく、私を大切にしてくれるアキ。
私とのことを、真剣に考えてくれている。
でも…「ひとつ年下」「院進学」ということが、私の中では、小さなしこりだった。
もちろんアキのことは好きだし、ずっと一緒にいたいと思う。
けれど、就職を間近に控えてはじめて、アキとのこれからを考えるようになった。
もちろんアキの夢は応援したいけれど…
必然的に私は「待つ」側になってしまう。
アキがどんなふうに私との未来を考えているかはわからない。
「待たせる」側のアキは…
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