末摘花(すえつむはな)

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取り残された若紫は一人、用意した百人一首を部屋に広げ 自分で読んで自分で取る悲しい一人遊びを始めました 若紫「また紫が取りましたわ、お兄様」 この場に居ない存在に話掛けても 虚しさ募る一方でございました いつしか若紫は読むのを止め、手を止め 只じっと儚気に庭を見つめ始めました 若紫「……お兄様」 心に残るは後悔の念ばかり… 「遊びに来た」などと言い訳せず 素直に言えばよかった。 「寂しいから傍に居てほしい」 しかしながらまだまだ幼い乙女心にはそのような恥ずかしい台詞は絶壁を跨ぐこと程無理難題であります
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