三通目 友人への応援要請

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一日も馬車に乗っていたので、身体が固まってしまった。 開けたままの窓からは、次第に潮の香りがする。 ランスロッド領は港を抱く領だ。この領を統治してきたサーベレッジ家は元々海賊で、あまりの傍若無人っぷりに手を焼いた前の王朝が土地を与えて召し抱えたらしい。 俺は一足先に馬車を降り、手を差しだす。 「メディシーナ、手を……」 奴ときたらまったく気付かず飛び降りていた。 「何か?」 「イイエ」 出したままの手を不格好に引っ込める。
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