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ゴーレムに立ち向かった時より恐ろしくて、メディシーナに引き摺られどうにか村を訪れた俺。鍬を片手に声をかけたのは、昔の遊び仲間だ。
故郷は過去のままで、そして変わっていた。畑や家々は懐かしさを感じさせるほどなのに、そこに住む人々は離れていた年月を感じさせた。
俺が居ない間に新しく村に来た者もいた。村を出た者もいた。亡くなった者もいた。俺の服を見てへりくだる者もいた。遠巻きにしている者も確かにいた。
けれど。
モーリーは俺たちを家に招き、彼が射止めたかつてのマドンナ、ナタリー嬢の手料理を振舞ってくれた。そこへエドが酒瓶を持って現れ、夜遅くまで思い出話に花を咲かせた。彼らは屈託なく受け入れてくれ、離れていた日々も身分の壁も感じさせなかった。
それがどれだけ嬉しかったかなんて、言うまでもない。
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