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「明日から四時起床、先々月の法案に目を通して、十時に地元の有力者と会談。議題は堤防の整備について。一時から住民の陳情を聞いて、三時に役所の査察、六時から森林保護法整備の会議、終わり次第各町村の会計報告を読んで、深夜二時に就寝。因みに食事は一分な」
「無理。睡眠時間二時間とか鬼かよ。休憩は!?」
「んぁ? んな暇があると思ってんのか? ザ・シーズン(社交界の季節)も間も無く始まる。一日三十時間にしても間に合わないくらいなんだぞ!? そもそもてめぇの自業自得が原因だろ!?」
「……はい」
「と言っても長旅で疲れているだろう。今日くらいは休め」
労わりの言葉と鬼畜部下の落差が見せる幻想だとわかっていても、この時ばかりは奴が天使に見えた。
「マリアベル、明日は星が降るのだろうか」
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