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「降るか。てめぇがいねぇとチビその一その二がうるせぇんだよ。顔見せて黙らせて来い。今日は大目に見るが明日からは馬車馬を見習って働け。ご希望なら今すぐこき使ってやるが?」
「いえ、結構です」
言うだけ言うと、時間が惜しいマリアベルは背を向ける。
「あ、そうだ。お前、ちゃんと飯は食ってる?」
ことのついでに聞いてみたが。
「……てめぇに心配されるまでもねぇよ」
返答は固い。
「あとお前呼ばわりは止めろ。親しくもない男に言われると案外腹が立つ」
少なくとも一年以上の付き合い長いじゃないですが、マリアベルさん。
樫の木の扉を音を立てて閉ざし、女執事は退出する。
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