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「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ…」
喉の奥から絞り出したような声が光の塔の中から聞こえ、軽く美女の類に入るセツの登場に盛り上がっていた会場がシンと静まる。
公園の噴水の様に急に途切れた光は淡く宙から消えていき、ショタとセツが露になる。
九本の尾をたなびかせながらショタの首を持ち上げ、尾で単調に腹パンするセツ。
首を抑えられ空気が腹の中で暴れ、顔から血の気が無くなっていくショタ。
端から見なくても、獣が人間を襲う構図と見れる。
セツの華奢な身体からあの腕力が出ること事態が対象には化け物染みていて、それを命じる俺は『公式的な戦闘』と言えど冷酷に見えるだろう。
観衆のざわざわとした空気が実況及び審判の男に伝わり、
『そこまで!』
制止に入ろうとする教師共を視界の端に捉えたセツはゆっくりと手を下げ、ドサリと提げていたショタを降ろす。
畏怖を見る目が突き刺さり無言で戻ってくるセツ。
セツ「慣れは怖い…」
畏怖を見る目に慣る。
自分を制止出来るものは居ず、仲間も居ず、他の目を気にしなく生きてこらされた
セツ「化け物…か」
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