登山

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そうして、この山を登り始めてから何度か無駄な問答をして、その度に俺は疲労が何倍にも増したような感覚に襲われ、つくづく後悔していた。 そんな俺とは正反対にこの人はまるで遠足に来た子供のようにウキウキとした様子で俺の少し先を足どりも軽くズンズンと進んで行く。ここまで来てこの人は案外アウトドア派なのだと気付かされる。 そして,夏の暑さにウンザリして汗だくになりながら俺は息も荒く少し前屈みの姿勢をとってその後をついて行った。
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