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「じゃあメンバーを紹介するわ。おい、みんなちょっと集まって。」
所長が手を叩くと事務所の所員さんが集まって来た。
「今日からここで働いてもらう高瀬りんさんです。このむさ苦しい男ばっかの事務所に咲く一輪の花だ。お前ら絶対変なことするんじゃねぇぞ。」
へ、変なことって‥
「はじめまして。高瀬りんです。よろしくお願いします。」
私が挨拶するとみなさんが拍手してくれた。
「あれ?あいつは?また遅刻かよ。全く、アイデアが悪かったら速攻クビにすんのに。」
所長さんが言うにはこの事務所には遅刻魔が一人いるらしい。
バタンッ
事務所のドアが開いて、男の人が入ってきた。
「おはよ。」
「おい。凌!おはよ、じゃねぇ!また遅刻かよ!」
「あーなんか朝からアイデアが降ってきて色々描いてたら遅れた。」
「はぁ。降ってきたんならしゃーないか。その代わりいいアイデアなんだろうな。」
「どーだろ。」
遅刻魔と所長の会話は私の耳にはほとんど入らず、私は遅刻魔の顔をずーっと見つめていた。
「あ、あ、あ、あの?」
混乱した私が声を出すと遅刻魔がこっちを見た。
「ん?あれ?りんちゃん。なんでいんの?」
「あれ?凌と高瀬さん知り合い?」
「あの‥知り合いってゆうか」
「お前、昨日風呂場に服忘れてったぞ」
‥‥‥しーん
事務所内が早川さんの一言で静まり返った。
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