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「りん。こっちむいて。」
凌は私の左手を握った。
だめだよ。今横を向いたら、仰向けでかろうじてこらえてた涙があふれちゃうよ…。
「りん。」
凌がひどく優しい声で私の名前を呼んだ。
恐る恐る体ごと顔を左に向けると、目に溜めていた涙がつーっと流れ落ちた。
「りんはどう思う?」
「……私…」
「うん。」
「私…行って欲しくない…」
「うん。」
「凌と…二年も離れるなんて考えられない…」
「…うん。」
「だけど…凌の夢は私の夢だよ。」
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