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私が言い終えると、凌は私の鼻をつまんだ。
「ちょ、ちょっと!」
「ははっ。」
「今真剣な話してるのに!」
「ごめんごめん。」
凌は私の顔を見て笑ったけど、次の瞬間には真面目な顔をしていた。
「ありがとう。」
少し掠れた優しい小さな声で凌はそう言った。
「うん。応援してる。」
「でも…ちょっと残念だな。」
そう言って遼はごろんと体を左へ向けて私に背を向けた。
え!?なんで!?
なんか拗ねてる…?
「行かないでって泣きついて欲しかった。」
「そ、そんなこと言われたら困るくせに…」
「うん。困る。で、ニューヨーク行くのやめたかも。」
「そんなこと言って。もう所長には行くって言ったくせに。」
今度は私が体を右に転がし、凌に背を向けた。
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