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次の日。
目が覚めたときにベッドの横には凌はいなかった。
「見送りはいいから。来られると行きたくなくなる。」
昨日、凌はそう言った。
ベッドの右端に手を当てると、そこにはまだ凌の温もりがあった。
「‥‥凌‥」
今日から凌には会えないんだ。
時間が経つにつれてなくなっていく凌の温もりが、離れ離れになることを実感させた。
「‥‥りょ‥う‥‥」
涙が溢れた。
泣くのは今日で最後にしよう。
今日から新しい自分になろう。
凌が帰ってくる日まで、私は私の道を歩こう。
一人で。
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