無欠の帝王

5/13
67981人が本棚に入れています
本棚に追加
/1056ページ
「やっぱり、もう辞める! 戦いには出ない!!」 端から見れば、俺が駄々をこねているようにしか見えないだろう。 俺が戦いたくない理由は、ジークにも言っていない。 ジークも、俺が駄々をこねているって思っているのかも知れない。 「此処を辞めて、何処へ行くつもりだ? 行くアテなんかないだろう?」 ジークの言葉に詰まる。 ──図星だ。 俺はずっと此処で住んでいたため、外に住居はない。 知り合いもいない。 「でもっ……! 金はあるし、何処にでも住める!! 何なら、買い取ったって……!」 ムキになって反論するが、ジークは手を挙げてそれを制する。
/1056ページ

最初のコメントを投稿しよう!