無欠の帝王

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「外の世界で長い間住んでいないお前が、普通に暮らせる訳がないだろう? それに、その年じゃ、ギルド以外の仕事で誰も雇ってはくれない 家だって、その年じゃ売ってももらえないだろう」 ジークの言葉に、唇を噛む。 俺は16歳。 ジークが言うには、まだまだ子供な年齢なんだそうだ。 「何故辞めたいのか、理由は言いたくなったら言いなさい それまでは、辞めさせないよ?」 (言えば、辞められるのか?) 一瞬迷う。 でも、やっぱり言いたくない。 ただの、俺の我儘だと思われている方がマシだ。 ジークにまで“それ”を肯定されたら、俺は拠り所を失う。
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