67965人が本棚に入れています
本棚に追加
/1056ページ
カツカツカツ……
廊下を歩く足音が響く。
向かいから歩いてくる人が端に寄り、俺が歩く道を空ける。
恭しく頭を下げる奴等には目もくれず、ひたすら目的地まで歩く。
ある扉の前まで来ると、ノックもなしで力任せに扉を開ける。
バンッ……キィ……
扉は悲鳴を上げ、辛うじて壁と繋がっている状態に。
「……おいおい、何度目だ？
いい加減、扉を破壊するのは止めてくれないかな？」
部屋にいた茶髪の男は、突然入ってきた俺に驚きもせず、役目を果たせなくなった扉を見て溜め息を吐く。
そんな男の様子にも関係なく、俺はその男の方へ近付く。
最初のコメントを投稿しよう！