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そのおかしな着信があったのは真夜中のことだった。
覆い被さった毛布の向こうから軽快な電子音が断続的に聞こえていた。
日向はベッドの中でしばらく目を閉じていたが、いつまでも鳴り続ける目覚まし時計のアラームに眉を寄せ、身体を起こす。
ベッドから出てテーブルに置いていた目覚まし時計を止める。
もうすぐ冬休みということもあって日に日に寒さで起きるのが億劫になってくるが、両親が仕事の都合で海外へ行っているため、なんだかんだで自力で起きなくてはならない。
あくびをしつつカーテンを開け、大きく伸びをする。
朝の睡眠時間はとても大切なものには変わりないが、ほとんど一人暮らしなので朝食をつくらなければならない。
朝食を取る時間さえ惜しいと感じるのは高校生なら誰でも同じだろうが、そこはきっちりさせている。
さっさと朝食を済ませて、それから洗面所に顔を洗いに行き、あとは手早く制服に着替えるだけだ。
日向はもう一度あくびをすると、部屋を出てキッチンに向かった。
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