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それを聞いた土方は肩をわなわなと震わせる
雪はそろりと顔を覗かせると、眉間の皺が濃く刻まれ更に恐い鬼になっていた
恐っ
だが青年に目をやると悪びれた様子もなく笑顔を絶やさないでいる
ブチ
何かのきれる音がした
雪は恐る恐る視線を鬼にもどす
そこには鬼(土方)が凄い剣幕で
拳を降り下ろしている姿があった
ゴチン
『いでっ!』
見事に鬼の拳は命中し
青年は床にしゃがみこみ頭を押さえこむ
そしてすぐに顔をあげ、
鬼をキッと睨む
しかし余程痛かったのか青年の目は涙目になっていた
『何するんですか!たんこぶできちゃいましたよ!』
『うるせえ!お前はいつも一言も二言も多いんだよ!少しは口を減らしやがれ!』
青年の抗議に鬼は声を荒げてかえす
その光景に雪はポカンと口をあける
この人たち、一体何なの?
奴隷商人にはとても見えない
『おい坊主!』
『へっ、は、はい?』
『お前をこれから局長の所へ連れていく。処分はそこできめる』
『土方さん!』
青年は目を輝かせた
『言っとくが俺は部屋が汚れるのが嫌なだけだ。総司が言ったから引くわけじゃねぇからな』
クス『分かってますよ。』
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