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屯所
真っ暗な暗闇の中―
光一つ見当たらない
雪はおもむろに手を伸ばすが
何も掴む事はできない
………怖いよ
怖いよ怖いよ怖いよ怖いよ
私は……………………、
一人だ
『そうだ。お前は一人ぼっちだ』
!?
だれ!?
暗闇の中で誰かが話かけてくる
『分からないのか?…私が。』
…知らない。
その声は二度と聞きたくない声
『嘘だ。お前は俺をよーく知っている。』
知らないってば!
『俺は知ってるよ。忘れられないさ。』
……やめて。
『やめて?お前はあの時やめてくれなかったじゃないか』
うるさい
黙れ
『お前が憎いんだよ。悠々と暮らしているお前が。』
…………やめろ。
『ズクズクズクズク、痛むんだよ。…お前にやられたこの傷が。』
!
いや……いやだ!!
やめろ!やめろ!やめろ!
『逃れると思ってるのか?その罪は二度と消えないというのに』
喋るなあああああ!!!
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